少子高齢化の日本。都道府県別データ。住むなら何処が理想?

日本は政策の大失敗により実質世界一といえる少子高齢化国となりました。2022年時点で20歳未満が16.4%、65歳以上が28.5%です。(正確には高齢化一位はモナコですが、人口3万人なので除外)

一般的な国では20歳未満の方が65歳以上の割合より多いのが普通です。一例として、アメリカでは20歳未満が25%、65歳以上が16%です。アメリカは1975年あたりから出生率はほぼ横ばいなのですが、出生率が横ばいであれば、65歳以上の方が少なくなるのが正常です。

尚、高齢化が第三位のイタリアでは、20歳未満17%、65歳以上22%です。日本より幾分かマシですが、イタリアも既に手に負えないレベルで、2050年には3人に1人が65歳以上になります。

日本では2030年頃に3人に1人が65歳以上になります。もう既に手遅れの状態であり、今から対策しても子供を産める世代の割合が少なすぎる為に少子高齢化は止まりません。

なぜ、ここまで少子高齢化問題が放置されたかというと、投票率の高い高齢者層が高齢者の為の政治を行う政治家だけを選び続けたからです。高齢者層に受けの良い政策を行う政治家が当選する為、日本は医療保障など年寄り向けの保証がやたら手厚く、逆に育児世代の手当ては少なく子育てに厳しい国となりました。

高齢者向けの保証を支える為に若い世代の労働者は高い税金や年金・保険料などの負担を強いられました。結果、個人個人の貯蓄が減り、育児手当も少ないので子供を産みたくても産めない世帯、そもそも結婚したくてもできない人達が増えて少子化が進んでいきました。今後も高齢者の割合が増えるので若い世代の負担は益々増えて、更に少子化は進む悪循環となります。

自分達(特に高齢者)さえ良ければいいという政策によって、少子化と晩婚化の問題は延々と後回しにされ続けてきました。自分達が生きている間だけ日本が没落しなければいい、死んだ後は知ったこっちゃないという人達が昭和後期から今に至るまでこの国の政治を動かしてきたのです。

そもそもの少子化の始まりは、1974年(昭和49年)の日本政府が行った少子化推進政策です。当時は第二次ベビーブーム真っ只中で、このまま人口が増え続けたら日本の資源が枯渇すると危惧されていました。厚生省や外務省の後援で開催された日本人口会議で「子供は2人まで」と宣言され、それが新聞など報道で全国に広まりました。その宣言は効果てきめんだったようで、この頃から出生率が減少の一途を辿って今に至ります。

今、日本が少子高齢化で苦しんでいるのは、半世紀も前の少子化推進政策が始まりで、その後、少子化問題が表面化しても問題を放置し高齢者優遇の政治を続けたためです。少子化推進政策という政策一つで生まれてくるはずの多くの命が生を受けず、先進国上位の生産力を誇った国が成す術無く衰退していくのですから、本当に恐ろしい話です。

因みに、1974年時点の日本の平均寿命は男性71歳・女性76歳でした。今は男性81歳・女性87歳ですので、約10歳ほど長寿化した事になります。長寿化も高齢化の一因ですが、先進国全ての国で長寿化してますので、日本の少子高齢化は長寿化だけが原因ではありません。

都道府県別の年齢データ

少子高齢化の進行度合いは都道府県ごとに格差があります。都道府県別の年齢人口は下記の通りです。

令和4年1月1日の住民基本台帳に基づく都道府県別年齢人口データ 人口データ出典:総務省

少子高齢化が最も深刻なのは東北・北海道

上記データによると、高齢化が圧倒的に進んでいるのは秋田県を筆頭に東北・北海道です。秋田は20歳未満が約13%に対し、65歳以上は約38%です。20歳未満と65歳以上の人口差は実に3倍です。圧倒的な高齢社会です。

20歳未満と65歳以上の差が二倍以上の地域はまもなく厳しい時代に突入するでしょう。具体的には、放置された廃墟が町中至る所に目立ち始めます。一戸建て住居の廃墟はもちろん、本来なら廃業とともに撤去されるべき商業・工業施設などの廃墟も目立ち始めます。更地にする労働力も資金も無くなるからです。

そういった地域は数十年かけて土地の価値もどんどん落ちていきますので、いらない土地があるなら早めに処分しておきましょう。これらの地域が私達の生きている間に人口が回復して土地の価値が上がるなんて事はまず有り得ません。

少子高齢化から唯一逃れている沖縄

都道府県の中で唯一少子高齢化からギリギリ逃れている県があります。それは沖縄です。令和4年の時点で20歳未満と65歳以上の割合が約22%とほぼ同等である唯一の件です。20歳未満が20%を超える唯一の県です。あくまでも10~20年ほど少子高齢化が遅れているというだけですが、日本の中では最も救いのある県です。もし、自由に移住できて、暑さに耐性があるなら、沖縄がベストチョイスです。

ただし、沖縄は本州より平均給与が低いです。もし沖縄に移住するなら、地域の平均給与が影響しない職種、例えばネット関連のお仕事などが理想的でしょう。

沖縄は物価が安いとはいえ、本州との収入格差はそれ以上なので本州より生活はやや厳しいはずです。しかし、そこまで少子高齢化が進んでいないのは興味深いです。

その要因として、まず第一に考えられるのは気候の差でしょう。陽気な気候の方が小作りが捗るのは想像に容易いです。第二に、少子化推進政策が実施された1974年は、沖縄がアメリカから日本に返還(1972年)の直後だったので、主体となる放送や新聞の違いから少子化思想が根付かなかったのでしょう。

もちろん、沖縄でも増税の影響は受けますし、日本に住む以上、少子高齢化の影響から完全に逃れる手段は有りません。ただ、暫くの間は高齢者だらけの地域より労働力は維持されますし、どこに行っても高齢者ばかりの異常な状況からは解放されます。

あくまでも沖縄の少子高齢化が10~20年遅れているだけで、後追いで少子高齢化していく事は覚悟しなくてはいけません。沖縄に住んでいても日本全体の高齢者を支える為の増税は逃れる事はできませんので、増税による少子高齢化は沖縄にも必ず訪れます。

因みに、沖縄以外・都心(都会)以外で少子高齢化が他県より比較的緩やかなのは滋賀県です。これは滋賀県が大阪・京都への交通の便がいいのでベッドタウンとして開発が進み、育児世代が一気に増加したからです。滋賀県の少子化対策が功を奏したとかではありません。

沖縄に住むデメリット

南国の魅力的なイメージが先行する沖縄ですが、観光しただけではあまり気付かない悪い点もあります。移住を検討する場合は、デメリットも理解した上で検討しましょう。

まず、苦手な人にとって無視できない問題がゴキブリです。沖縄のゴキブリは大量かつ巨大です。本州で主流のクロゴキブリと違い、沖縄主流のワモンゴキブリは狂暴です。攻撃性が強いので人に向かってきますし、時には噛みついてきます。

田舎の公衆トイレは夜になると大量に壁に張り付いています。場所によっては夜に散策すると大量にゴキブリを見つける事ができます。例えば、宮古島のドイツ文化村周辺の海沿いの歩道ですが、繁殖期にはライトで照らすところ照らすところ至る所に大量のゴキブリがいて、一時間で数百匹は発見できるほどです。恐らく、一帯には何十万、何百万匹と生息しているのでしょう。その近辺の海岸で夜釣りをしているとゴキブリが飛び掛かってきて襲われます。繁殖活動なのか、集団でピョンピョンとジャンプしているなど本州とは生態が別物です。

沖縄のアパートや一戸建てに住む場合、台所はとにかく綺麗にしておかないと臭いに呼び寄せられてすぐにゴキブリが侵入してきます。汚れた食器などの洗い物は溜めずにすぐ洗い、生ゴミはしっかり密封してすぐ処分しましょう。

ゴキブリだけでなく、虫全般が本州の何倍~何十倍も多いです。夏場にちょっと藪に近づいたら何十匹もの蚊が集団になって襲ってくる事があります。夜に明かりの点いた部屋で窓を開っ放しにしていると大量に虫が入ってきて天井を埋め尽くします。

言わずもがなですが、紫外線が相当強いです。北海道の2倍、東京の1.5倍といわれています。東京の1.5倍の日焼け程度で済むと思ったら間違いです。日焼けする速度は本州の数倍です。そんな強烈な紫外線なので、沖縄の人は海で泳ぐという習慣は殆どありません。海で泳いでいるのは観光客だけです。もし、泳ぐとしても日差しの弱い夕方頃に泳ぎます。日常的に日中泳いでいたら紫外線で肌が焼けただれます。大袈裟では無く、沖縄は日光で火傷します。

沖縄の人が海で泳いでいるイメージがあるなら間違いです。泳げない人も多いです。紫外線が強すぎる、沖縄の海にはハブクラゲを筆頭に危険な生物が多いといった事情があるのでしょう。移住した場合も思ったより海水浴が満喫できず少々落胆するかも知れません。

時期によっては深刻なのが台風です。本州ではなかなか体験できないクラスの暴風を伴う台風が年に数回当たり前のように上陸します。地域によっては台風による停電は恒例行事です。そういった地域では住民同士の助け合いは欠かせません。移住して誰も知り合いがいないと、いざという時に助けてもらえる人がいなくて困るかも知れません。

沖縄に住む上での三大デメリットはゴキブリ・紫外線・台風の三点でしょう。対策か耐性が必要です。この三点と比べたら他は些細な事ですが、内容によっては気になる人は気になるかも知れませんので、下記に一通り挙げておきます。

沖縄は運転マナーが全国で最底辺です。ウインカーを出さないなんて当たり前ですし、対向に直進がいるのに強引に右折してきたり、車からタバコのポイ捨て、常時ハイビームなど、本州の人が見たらマナーの悪さが目立ちます。休日前の夜は大通りを暴走族が走り回っています。制限速度に満たない速度で走る車も多く、ウチナータイム(沖縄時間。時間が緩やかに流れている様子)と呼ばれています。レンタカーが多いのも相まって、下手な運転の車の割合は断トツで日本一です。殆ど片側一車線で速度は出せないので死亡事故率は日本の平均程度に収まってはいます。

通販の送料が高く、届くまで日数が掛かります。Amazonは条件を満たせば無料ですが、それ以外の通販サイトでは送料が割り増しになる場合が多いです。もちろん、送る時も高くて遅いです。

お年寄りの方が何を言っているか分からない場合があります。訛っているとかのレベルでは無く、単語そのものが本州とは異なるものなので、真の沖縄語を喋る年配の方々との交流はなかなか難しいでしょう。

沖縄は基本的に何処でも海が近くて潮風を遮る高い山も無いので塗装が傷みやすい、鉄が錆やすいといったデメリットもあります。沖縄では壁の塗装がボロボロの建物が多いのは、塗っても塗ってもすぐボロボロになるので諦めて放置している事が多いからです。

食材の品揃えや質、外食店のレベルはやはり本州と比べて物足りないのは否めません。例えば、沖縄で麺類といえばソーキそばが主流の為、美味しいラーメン屋なんてものは沖縄で探すのは至難の業です。これは諦めるしかないです。あと、衛生観念の低い飲食店が日本としては割合多いです。

温泉が皆無に等しいです。稀にある温泉もその大多数は硫黄成分は殆ど含まれてなくて、温泉好きを満足させる泉質とは言い難いです。そもそも温暖なので温泉に入りたくなる事が少ないです。スーパー銭湯も人口の割にほぼありません。

沖縄は自分の土地でも無いのにお墓を作る風習がありました。そういう風土が影響しているのか、自分の土地では無い土地を占拠する事に抵抗が無い輩がちらほらいます。公共のビーチを占拠して有料化にしている輩もいます。本州なら大問題なので自治体が動きますが、沖縄では放置されがちです。こういう県民性は本州の人にとってストレスを感じる一因にもなるかも知れません。沖縄の闇の一面です。

米軍基地が多いので地域によっては騒音問題が常態化しています。移住する場合は、米軍基地の場所と米軍訓練区域を把握しておきましょう。毎日のように上空を米軍機が通るような場所は避けましょう。

昨今では、コロナウイルスが他県より一足早く蔓延するというデメリットもあります。面積の狭い県なので一気に蔓延して医療機関が逼迫ひっぱくします。多くの観光客が訪れるのと、それ故に外食産業も盛んで県民自体の外食率が高い事も主な原因でしょう。

魅力的な沖縄ですが、このように悪い点や不便な点は多々あります。移住を検討するなら良いイメージだけでなく、こういった悪い点や本州との違いを踏まえても住みたいか考えましょう。

ではでは。